今回ご紹介するのは、アウディ TT クーペの事故修理事例です。

事故によりボディ側面とホイールに損傷を受けた状態で、当店に入庫しました。ご加入の保険を使っての修理をご希望されており、保険会社とのやり取りも含めてAUTOPで対応させていただいています。

アウディ TTは、コンパクトなボディに凝縮されたデザインが魅力のスポーツクーペです。丸みを帯びた独特の面構成と、張りのあるフェンダーライン。この「面の美しさ」こそがTTというクルマの価値そのものと言っていい一台です。

だからこそ、修理には相応の慎重さが求められます。少しでも面が歪めば、光の流れ方が変わって一目でわかってしまうからです。

施工概要|アウディ TT クーペ 事故修理(アルミ板金・ホイールリペア)
車種アウディ TT クーペ(AUDI TT Coupe)
お住まい地域三重県内
ご相談内容事故によるボディ損傷・ホイールのガリ傷
お支払い方法 保険適用
保険会社とのやり取り・見積もり調整もAUTOPが対応
施工内容アルミパネルの板金修正(当て木・木ハンマーによる裏出し)・パテ処理・下地処理・調色・塗装・クリアー仕上げ
ホイール 交換せず修復
ガリ傷部分を研磨・パテ埋め・形状復元・塗装仕上げ
難易度 ▲ 高
アルミ材特有の「伸びやすく戻らない」性質への対応が必要
仕上がりボディの面ライン・ホイール形状ともに復元。損傷箇所が分からない状態へ

※ ホイールに割れ・歪みがある場合は安全上の理由から交換をご提案いたします。施工内容・費用は損傷の程度により異なります。

アルミボディは、鉄と同じようには直せない

今回のTTには、もうひとつ大きな難所がありました。

アルミです。

アウディは、アルミを積極的に使うメーカーとして知られています。TTもまた、アルミとスチールを組み合わせた構造を採用しており、部位によって素材が異なります。

軽量化と剛性の両立という点では非常に優れた構造です。ただ、修理する側から見ると、話はまったく変わってきます。

アルミは、鉄とは性質がまるで違うからです。

・アルミは伸びやすい
鉄よりも柔らかく、力を加えると簡単に伸びます。強く叩けば、そのぶん余計に伸びてしまい、かえって面が波打ちます。

・戻りが少ない
鉄なら「叩けば戻る」という感覚が通用しますが、アルミは一度伸びた分がそのまま残ります。やり直しが利きにくい素材です。

・熱の扱いに注意が必要
熱を加えすぎると強度が落ちてしまうため、鉄のように気軽に炙るという判断ができません。

・鉄用の工具をそのまま使えない
鉄板金用のハンマーは硬く、アルミに使えば一撃で伸ばしすぎてしまいます。

つまり、アルミの板金は「力任せが最も通用しない」領域です。

鉄の感覚のまま作業すれば、直すつもりが逆に取り返しのつかない状態にしてしまう。ここが、アルミパネルを扱う難しさです。

木のハンマーで、裏からじわじわと。

今回の施工で実際に行ったのが、木のハンマーと当て木を使った裏からの叩き出しです。

パネルの内側に手を入れ、当て木をあてがいながら、木のハンマーで少しずつ叩いて面を起こしていきます。

なぜ木なのか。

金属のハンマーだと、当たりが強すぎるからです。アルミの柔らかさに対しては、木の適度な硬さと弾力がちょうどいい。点で衝撃を与えるのではなく、面でやわらかく力を伝える。だから伸ばしすぎずに、必要なぶんだけ起こすことができます。

そして、これは1回で決まる作業ではありません。

叩く。確認する。手のひらで面をなでる。光にかざして歪みを見る。また叩く。

この繰り返しです。ミリ単位どころではない、指先の感覚と目に頼る世界です。数値でも機械でも代替できない、完全に手の作業になります。

急いで一気に戻そうとすれば、必ず失敗します。時間をかけてじわじわと近づけていく——これがアルミ板金の正攻法です。

最後はパテで、面を整える

板金で可能な限り面を起こしたあと、仕上げにパテ処理を行います。

「パテ=ごまかし」というイメージを持たれる方もいますが、それは違います。

板金だけで100%完璧な平面に戻すことは、実際には不可能です。特にアルミの場合、素材の性質上どうしても微細な歪みが残ります。その残った差を精密に埋めて、元の面のラインに戻すのがパテの役割です。

大切なのは「厚く盛ってごまかす」のではなく、「板金で限界まで戻したうえで、薄く正確に整える」ことです。

パテを厚く盛れば、その分だけ後々のひび割れや剥がれのリスクが高まります。だからこそ、その前段階の叩き出しをどこまで詰められるかが勝負になります。

・研磨で下地を整える
・パテを薄く、必要な範囲だけ入れる
・研ぎながら面のラインを確認する
・サフェーサーで下地を作る
・調色した塗料で本塗装
・クリアーで仕上げ、磨き上げる

表に出ない工程ほど、仕上がりを左右します。AUTOPが下地処理に時間をかけるのは、そこで結果の大半が決まってしまうからです。

ホイールも「交換」ではなく「直す」

今回はボディだけでなく、ホイールにもガリ傷が入っていました。

ホイールをこすってしまった場合、多くの工場やディーラーでは交換の提案になります。確かにそれが最も手早い方法です。

ですが、アウディ純正のアルミホイールは、1本あたりの価格が決して安くありません。しかも、1本だけ新品にすると、他の3本との見た目の差が出てしまうこともあります。

今回AUTOPが選んだのは、パテによる修復です。

・傷部分を削り、状態を確認する
・パテで欠損した部分を埋める
・研磨してリム形状・スポーク形状を復元する
・下地を作り、ホイールカラーに合わせて塗装
・クリアーで仕上げる

ホイールはボディ以上に、形状の再現が難しい部品です。リムのエッジは細く鋭いラインで、少しでも丸くなればすぐに違和感が出ます。削って、埋めて、研いで、元の稜線を手で作り直していく作業になります。

結果として、こすった痕跡は消え、交換したのと変わらない見た目に戻りました。交換に比べて費用も大きく抑えられています。

保険を使った修理も、AUTOPにお任せください

今回の修理は、保険を適用して行っています。

事故に遭われた直後は、
「保険を使ったほうがいいのか」
「どこまで補償されるのか」
「手続きが面倒そう」
と不安になる方が多いと思います。

AUTOPでは、保険会社とのやり取り、修理内容の説明、見積もりの調整まで対応いたします。お客様に難しい交渉をしていただく必要はありません。

また、保険を使う場合と自費で直す場合、どちらがご負担として妥当かという点も、状況を踏まえて一緒に整理させていただきます。修理内容によっては、保険を使わないほうが結果的に良いケースもあるためです。

ご加入の保険証券をお持ちいただければ、その場でご相談いただけます。

こんな方は、一度ご相談ください

・事故に遭い、保険を使って修理したい方
・輸入車・アルミボディ車の修理を任せられる工場を探している方
・「アルミなので交換になります」と言われた方
・ホイールのガリ傷を、交換せずに直したい方
・ディーラーの見積もり金額に納得できていない方
・他社の見積もりを持って比較検討したい方

AUTOPでは、他社お見積もりをお持ちのうえでのご相談も歓迎しています。状態を確認したうえで、どの工法が最適かをご提案します。